
遺品整理を親族など家族で行う人も多いのではないでしょうか。できることなら、親族同士で揉めることなくスムーズに作業を行いたいと望んでいると思います。
とはいえ、遺品整理ははじめてのことだからこそ、わからないことも多く知らずに行っていたことがトラブルの原因となってしまうことも少なくありません。特に遺品整理は、精神的な余裕もない時期に行うことが多いからこそ、難しい部分もあるでしょう。
遺品整理を家族で行う際に覚えておきたい、注意点やトラブル対策について紹介します。
目次
遺品整理は誰が行うの?
そもそも、遺品整理は誰が行うものなのか?気になっている人もいるでしょう。遺品整理は、相続に関わることだからこそ、第三者が安易に介入すればトラブルの原因となってしまう可能性も考えられます。遺品整理を行えるのは主に以下の3パターンです。
・相続人全員で行う
・一部の相続人(集まるのが難しい場合)
・遺品整理業者に依頼する方法もある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
相続人全員で行う
遺品整理で余計なトラブルを避けたいのであれば、相続人全員で行うことをおすすめします。全員で遺品を認識したうえで進められるため、話し合いながら整理を進められます。遺品のなかには現金や貴金属のようなものもあれば、思い出の品もあるなどそれぞれに認識が異なります。
とはいえ、相続人同士が感情的になってしまうときは第三者を交えて話し合うようにしてください。必ずしも意見がまとまるとは限りませんし、しっかりと何度も話し合うようにしていきましょう。
一部の相続人(集まるのが難しい場合)
相続人同士が集まりたいと思っていても、スケジュールの兼ね合いで難しい場合もあるでしょう。集まるのが難しい場合は、一部の相続人が代表して遺品整理を行うことも珍しくありません。
とはいえ、遺品整理について不平不満をあげてくる人もいるため、慎重に進めていかなくてはいけません。処分したいと考えているものや、形見分けをしたいと考えているものを一覧にまとめて相続人全員と共有するようにしておきましょう。
全員の同意を得たうえで、処理を進めていくことも大切です。
遺品整理業者に依頼する方法もある
家族だけだと話が進まないときは、遺品整理業者など第三者に依頼する方法もあります。また、相続人が高齢で話し合いが難しいケースや遠方に住んでいる場合にも、遺品整理業者を利用するケースは珍しくありません。
ただし、相続財産の一部が不正に処分されてしまう可能性もあります。
信頼できる遺品整理業者を選ぶようにしましょう。
親族同士で遺品整理のトラブルが起こりやすい原因
親族同士で遺品整理を行う場合、トラブルになってしまう可能性が考えられます。
できればトラブルにならずに穏便に済ませたい人のほうが多いでしょう。
具体的にどのようなケースで遺品整理が起きるのか、トラブルになりやすい原因について、詳しく説明していきたいと思います。
・勝手に遺品整理を進めてしまう
・業者に依頼した費用を誰が支払うか
・相続に対して意見がまとまらない
・形見の品を勝手に処分してしまう
・認識していない親族がいた(第三者)
・口約束によるトラブルがあった
・近隣住民とのトラブルもある
・現金を勝手に持って帰ってしまう(遺品整理)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
勝手に遺品整理を進めてしまう
大切な遺品だとしても、人によって物の価値は変わってきます。
相続人のほとんどが不用品だと判断している場合も、他の人にとっては大切な物の可能性があります。そのため、相続したいと思っていたものを、他の相続人が勝手に処分してしまうケースもよく見られるトラブルの一つです。
もし、遺品整理をしているときに「もしかしたら‥」と思うものがあったときは、箱にまとめておきすぐに処分せずに後で確認してから処分しましょう。
業者に依頼した費用を誰が支払うか
遺品整理や不用品回収を専門業者に依頼するときに「誰が費用を負担するか」で親族同士のトラブルになってしまうこともあります。
特に、遺品整理にかかる料金は安いものではありません。処分する遺品の量によっても変わりますが、予想以上の金額になることもあります。金銭的なトラブルはできるだけ避けたいものだと思います。
もし、専門業者に依頼するときは、費用負担をどうするのかまずは親族同士で話し合って決めるのをおすすめします。
相続に対して意見がまとまらない
遺品整理のなかでもよく起こりがちなトラブルといえば、相続に関する事です。
遺品は相続人の相続財産になりますが、現金や貴金属だけに限らず、土地や借金なども対象となってしまいます。例えば、実家を相続する場合、土地や建物をどのように相続するのか、財産的な金銭的な価値に納得できない人も出てくるかもしれません。
相続財産が多い家庭の話だと思っているかもしれませんが、ほとんどは1,000万円以下のケースで見られるそうです。決して他人事ではなく、よく起こりがちなトラブルでもあるのです。
形見の品を勝手に処分してしまう
故人の遺品を親族や友人に形見分けすることもあるでしょう。
形見分けの品は故人が大切にしていたものや、思い出のある品が対象になります。金銭的な価値によって形見分けをしているわけではないので、受け取った側にとってさまざまな考え方をしてしまいます。
金銭的に高いものを誰がもらうのかで揉める場合もありますし、生前に約束していたものだったなんてことも考えられます。形見分けは、あくまでも気持ちで行うものなのでトラブルにならないように、進められるようにしていきましょう。
認識していない親族がいた(第三者)
遺品整理を行うタイミングで、存在を認知していない隠し子が発覚することもあります。
なかには関係ないと思ってしまう人もいるかもしれませんが、一度も会ったことのない人も相続人として話合いが必要になることもあります。第三者の存在においては、有効的な対策や予防策はなく、まずは相手の希望を確認しないとわかりません。
冷静な状態で「どうしたいのか」を話し合う場を設けるようにしましょう。1:1で会ってしまうとトラブルになる可能性もあるため、複数の相続人で会い話をして希望を確認してください。
口約束によるトラブルがあった
故人との口約束がトラブルになることも珍しくありません。
亡くなったあとに預金額100万円をあげると口約束をしており、亡くなったあとに相続人同士の話し合いで伝え、トラブルになってしまうこともあります。口約束の場合、故人が本当に希望していたのか証明する手段がありません。
遺言書やエンディングノートに書かれていない限りは、他の相続人にとっても不満が残るだけになってしまいます。口約束になると、受け取れなくなってしまう可能性も考えられるため、必ず書面に残してもらうようにしておきましょう。
近隣住民とのトラブルもある
遺品整理で片付けをする際に、近隣住民からのクレームの原因となってしまうこともあります。親族同士が集い片付けを行う為、話し声も響きやすくなりますし、部屋のものを動かしているときに大きな音がしてしまうこともあります。
遺品整理の時間帯を昼間に行うようにする、できるだけ大きな音を立てることのないように注意しましょう。また、顔見知りのご近所さんの場合は、事前に話をしておくことでトラブルを防げる場合もあります。
近隣住宅とのトラブルはできるだけ避けるようにしておきましょう。
現金を勝手に持って帰ってしまう
遺品整理をしているときに、現金を見つけて勝手に持って帰ってしまう人もいます。
いくら相続人だとしても、現金も大切な相続財産になります。相続人同士で話し合い、どのように分けるかを決めなくてはいけません。もし、現金を勝手に持って帰ってしまったときは、必ず他の相続人に申告するようにしてください。
お互いに嫌な気持ちになりますし、他の相続を受け取れなくなってしまう可能性もあります。
親族同士のトラブルを防止するには
相続人同士のトラブルをできるだけ防止したいと思うものです。
そのために覚えておきたい4つのポイントを紹介します。
・相続人全員がそろった状態で話し合う
・事前に話し合いの場を設ける
・生前整理も含め検討しておく
・遺品整理業者に依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
相続人全員がそろった状態で話し合う
遺品整理は、全員もしくは集まれる範囲で大勢の親族のなかで行うようにしてください。
独断で遺品整理を行うのはトラブルのもとになりますが、他の親族に都度確認するのは大変です。相続人全員がそろった状態であれば、その場で確認できるので余計な手間もかかりません。お互いに間違えた認識にならないように遺品整理を進めていけるようにしましょう。
事前に話し合いの場を設ける
遺品整理を始める前に、相続人同士で話し合いの場を設け、希望を確認するようにしましょう。
それぞれどんな相続財産を希望しているのか、考え方についても違いがあります。遺品整理のタイミングや誰が行うのか、業者に依頼するのかなど細かく話し合いをしておきましょう。
自分の意見を伝えるのはもちろんですが、他の相続人の話にも耳を傾けるようにしておきましょう。親族同士の意見を聞きだせるように意識してみてください。
生前整理も含め検討しておく
相続人が多くトラブルになりそうなときは、生前整理を行い亡くなる前に話し合うのも一つの方法です。
相続人同士だと話し合いが思うように進まなくなってしまうので、元気なうちに相続をどうしたらいいのか、遺品整理をどうして欲しいのかも確認しておきましょう。
故人の意見を尊重できますし、親族同士のトラブルを防ぐことにもなります。生前整理について、まずは意見を確認して決めるようにしましょう。
遺品整理業者に依頼する
親族の話し合いをしたうえで、時間が確保できない、遺品整理を行う人がいないケースもあります。
トラブルの原因になる要素が多いときは、親族同士ではなく遺品整理業者に依頼する方法もあります。第三者だからこそ公平な遺品整理ができるようになりますし、トラブルになりやすい点を事前に察知したうえで回避する方法についてもアドバイスを受けられます。
不用品の分別作業においては、親族の立ち合いをしているほうが安心です。
まとめ
遺品整理を家族や親族で行う場合、勝手に処分されてしまったり、相続関係や金銭的な負担などさまざまなトラブルが起きてしまいがちです。
できることなら故人も望んでいませんし、親族同士で余計なトラブルは避けたいものですよね。相続人の人数や相続財産がどの程度あるのかによっても変わりますが、まずは話し合いをきちんと行うようにしてください。
いくら相続人であっても、それぞれ考え方が同じとは限りません。いわなくてもわかるわけではないからこそ、お互いの意見を尊重しつつ希望を伝えられるようにしてください。

この記事の監修者:編集部:三島

遺品整理のプロが運営するこのサイトでは、片付けのコツや裏話、失敗しないためのテクニックなど、役立つ情報が満載。読んで楽しみながら、実際に使える知識が手に入ります。 コラムも順次、更新予定なので、お楽しみに!ゴミ屋敷からおさらばしたいならご一読ください!