家族がゴミ屋敷に住んでいる場合の対応策
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いつの間にか実家がゴミ屋敷になってしまい、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。なかには、実家を片付けるように親と話をしているものの、聞く耳を持ってくれない…なんてケースもあるでしょう。
ゴミ屋敷になってしまった家族に対して、どのようにコミュニケーションをとればいいのかわからず、困ることもあるでしょう。ゴミ屋敷は決して他人事ではなく、誰でも可能性があるものです。家族がゴミ屋敷に住んでいる場合に、どのように対応したらいいのか、詳しくお話したいと思います。
目次
家族がゴミ屋敷になってしまう原因
ゴミ屋敷になってしまう原因には、さまざまな要素が隠れています。片付けが苦手な人だけに限ったものではなく、性格的な要因や精神的な問題なども考えられます。
まずは、ゴミ屋敷になってしまう原因から詳しく見ていきましょう。
・孤独感を強く感じ物でうめようとしている
・物を捨てたら手に入らないと思っている
・もともと片付けが苦手な性格だった
・人を頼るのが苦手で迷惑をかけたくない心理が働いている
それぞれ詳しく説明します。
孤独感を強く感じ物でうめようとしている
ゴミ屋敷になる原因の一つに「孤独感」や「疎外感」があります。寂しさを物を溜め込むことで埋めようとしている人も少なくありません。例えば、子どもが社会人になり独り立ちしたあとの寂しさや、配偶者を先に亡くした寂しさから抜け出せなくなっている人もいます。
それまでは片付けができていたものの、気が回らなくなってしまう人もいるでしょう。ゴミという概念がなくなってしまい、捨てることに罪悪感を覚えるようになってしまいます。孤独感を物で埋めようとしている場合、早急に対処することも必要になります。
物を捨てたら手に入らないと思っている
物を捨てられなくなってしまう人のなかには、一度手放すともう手に入らないと思ってしまっている人もいます。例えば、ご高齢になり収入が少なくなると、昔のものが捨てられなくなってしまう人も少なくありません。
まだ、使えるものであればいいのですが、なかには捨てられなくなっているだけなんてケースもあります。物を捨てられずにゴミ屋敷になってしまう人の場合は、まずは安心させてあげることが大切です。処分しても、また手に入るとわかれば安心して処分できるようになります。
もともと片付けが苦手な性格だった
ゴミを溜め込んでしまう人に多いのが、もともと片付けが苦手な性格の持ち主のケースです。しばらく使っていないものでも「いつか必要になるかもしれない」という心理が働いてしまいゴミを溜め続けてしまいます。
物を大事にする性格でもあるのですが、自分が片付けが苦手なことにも気づいていないケースもあります。周囲のサポートがないと片付けが進められないため、家族のフォローが必要になってきます。
人を頼るのが苦手で迷惑をかけたくない心理が働いている
ゴミ屋敷を片付けようと思っても、1人でどうにかできるわけではありません。ゴミ屋敷の程度によっても変わってきますが、足の踏み場もないような状態になってしまうと、若い人でも片づけるのが難しくなります。
片づけたいという意思はあるものの、体力的に自信がないため諦めてしまう人もいます。行動に起こせずに悩んでいる人に対して「協力するよ」と声掛けすることも必要です。自分から頼るのが苦手な人もいるからこそ、協力すると自分から声をかけてあげてください。
家族がゴミ屋敷になってしまったときの対応策
家族がゴミ屋敷になってしまったとき、どのように対処したらいいのか戸惑うこともあるでしょう。なかには、家族だからこそ言いだせない人もいるのではないでしょうか。具体的にどのように対応したらいいのか、5つのポイントを紹介します。
・頭ごなしに否定せず、気持ちに寄り添う
・無理のない範囲で一緒に片付けるようにする
・片付けが苦手な人もいると受け入れる
・できるだけ関係性を維持する
・専門家と業者に相談してみる
それぞれ見ていきましょう。
頭ごなしに否定せず、気持ちに寄り添う
ゴミ屋敷になってしまう人には、必ず何かしらの理由があります。なかにはゴミ屋敷になってしまったことに対して否定したくなる人もいるかもしれません。
「片付けができないのは甘えだ」と言いたくなる気持ちもありますが、まずはどうしてゴミ屋敷になってしまったのか、話を聞く事から始めてみてください。頭ごなしに否定すれば、誰もわかってくれないと考え心を閉ざしてしまう可能性もあります。
無理のない範囲で一緒に片付けるようにする
家族だけで片づけられるのであれば、本人と一緒に少しずつ片づけを始めていきましょう。一度にすべてを片付けようとしても大きな負担になってしまいます。まずは一部屋ごと片付けるなど、小さなエリアから片付けを進めるようにしていきましょう。
片付けの手順を一緒に考え、まずは分別することからはじめていきます。処分するべきか迷ったときに分別できるような段ボールを用意しておくなど、整理整頓しやすい環境を整えるようにしていきましょう。
片付けが苦手な人もいると受け入れる
ゴミ屋敷になってしまったことを、受け入れられない人もいると思います。「頑張って片付けよう」と励ましてるつもりでも、精神的に追い詰めてしまうこともあります。
片づけたいという意思を持っていても、どうにもならないことがありますし、余計に劣等感を抱える原因になってしまいます。人間は自分と違う価値観の人を否定したくなることもありますが、片付けが苦手な人もいると受け入れられるようになるととらえ方も変わってきます。
できるだけ関係性を維持する
ゴミ屋敷になってしまった家族に対して、できるだけ関係を維持し付き合っていくことも大切です。なかには人との付き合いがなくなってしまうと、よりゴミ屋敷化が進んでしまう人もいます。家族であっても人を家に呼べる環境かどうかでも変わってきます。
ゴミ屋敷に住んでいるから…と距離を置くのは簡単です。できるだけ今の関係性を維持しつつ、付き合っていけるようにすることで、ゴミ屋敷のリスクを減らすことにもなります。
専門家と業者に相談してみる
ゴミ屋敷に住んでいる本人の状態次第では、家族だけで解決するのが難しいケースも出てきます。その場合、専門家や業者に相談しつつ、ゴミ屋敷になってしまった原因を根本から解決していくことも必要になってきます。
精神的な問題の場合は精神科医やカウンセラーの力をかりつつ、片付けも含め進めていかなくてはいけません。専門家や業者のようなプロの力を借りることで見えてくることもあります。相談するのは勇気がいることではありますが、ゴミ屋敷を何度も繰り返さないためにも重要です。
高齢者はゴミ屋敷のリスクが高い
ゴミ屋敷は年代問わずに可能性がありますが、高齢者はよりリスクが高くなると言われています。いくつか要因はありますが、加齢による認知能力の低下や認知症が原因で片付けができなくなることも十分に考えられます。認知症は個人差があるので、急に進行する場合もあれば徐々に進んでいき、家族であっても気付けない場合もあります。
本人は必要なものなので、片づける判断ができなくなり、部屋のなかに物が溢れていくようになります。また、今の環境に慣れてしまうことで、汚い環境に住んでいることを理解できなくなってしまう人もいます。
他にも、セルフネグレクトで、日常生活の当たり前ができなくなることもあります。セルフネグレクトの高齢者は全国に約1万人いると言われており、他人事ではありません。自分のことに興味関心を持てなくなってしまうため、生活に支障が出ていても周囲に助けを求められなくなってしまいます。
食事やお風呂に入る、掃除をするなどができず、部屋が散らかっていきます。セルフネグレクトの場合、病院を受診することで向き合っていくことも大切です。
親がゴミ屋敷になってしまったときの説得の仕方
親がゴミ屋敷になってしまったとき、説得するための4つのコツがあります。
・ゴミ屋敷にはリスクが多い事を伝える
・一人ではなく一緒に片づけたい気持ちを伝える
・責めるのではなく、穏やかな口調で伝える
・高齢になれば親も変わるという考えも持つ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ゴミ屋敷にはリスクが多い事を伝える
ゴミ屋敷に住んでいる人は、リスクが高い生活をしていることを理解していません。ゴミ屋敷に住んでいると、心身の健康に異常をきたす可能性もありますし、近隣のトラブルや震災リスク、火災リスクが高まることも考えられます。
どのようなリスクがあるのかをわかりやすく丁寧に伝えていく必要があります。このときに言葉を荒げるのではなく「本当に心配している」気持ちを伝えられるようにしましょう。リスクがあるとわかれば、片付けに対して前向きに考えてくれる場合もあります。
一人ではなく一緒に片づけたい気持ちを伝える
ゴミ屋敷に住んでいる人のなかには、片づけたい気持ちがあっても体力的に厳しい人もいます。そんな場合は、一人ではなく一緒に片づけたい気持ちを伝えるようにしてください。
片付けを強要するのではなく、協力するから一緒に頑張ろうと前向きに伝えることで、安心感を得られるようになり、やる気を引き出せるようになります。親のことも気にかけていると言葉にして伝えることで、気持ちを変えられる場合もあります。
責めるのではなく、穏やかな口調で伝える
ゴミ屋敷を片付けてもらうためには、何度も何度も伝えなくてはいけない場合もあるかもしれません。一度で片づけられるのであればゴミ屋敷にはなっていません。
感情的になりそうなときは一度距離を置くなど、傷つけないように十分に注意してください。間違えた説得のやり方をしてしまうと、親が意固地になってしまい余計に話を聞いてくれなくなってしまうこともあります。
親の気持ちに寄り添い、穏やかな口調で伝えていきましょう。
高齢になれば親も変わるという考えも持つ
親が年を取っていくことに対して、いまいちピンとこない人もいるかもしれません。どんなにキレイ好きで片付けができた親だとしても、高齢になり体が思うように動かなくなっていけば、変わっていくことも十分に考えられます。高齢になれば、親も変わることを受け入れられると感情的になりにくくなります。最悪の場合、ゴミ屋敷のなかで孤独死する可能性もあるからこそ、周りが気付き受け入れてあげることも大切です。
家族がゴミ屋敷になってしまったときの片づけ方
家族がゴミ屋敷になってしまったときに片づける3つのポイントを説明します。
・1日で片づけようとしない
・仕分けだけの日も作る
・専門業者も積極的に活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1日で片づけようとしない
ゴミの量にもよりますが、長年蓄積してきたものを1日で片づけるのは現実的ではありません。片づけることが負担になってしまったり、本人の心がついていかなくなってしまうこともあります。事前にスケジュールを組んで、少しずつ進めるようにしていきましょう。無理なく安全に作業を進めていくことでゴミ屋敷を解消しやすくなっていきます。モチベーションが下がらないような工夫をすることも片付けには必要です。
仕分けだけの日も作る
ゴミ屋敷はとにかく物が多いので、仕分けだけの日を作る方法もおすすめです。何から片づけるべきか迷ったときに、いきなり処分するのはややハードルが高く感じます。必要なものと不要なものを分けていき、ゴミを明確にしていくことから始めて下さい。仕分けをしつつ、思い出話をしてみるなどコミュニケーションの機会にしてもいいと思います。捨てるか迷ったときは、本人に確認してから進めるようにしてください。
専門業者も積極的に活用する
ゴミの量が多い場合は、専門業者に相談することもおすすめです。また遠方に住んでいて実家に戻れる機会が限られてしまう人にとっても、専門業者の存在が大きくなります。プロだからこそスムーズにゴミ屋敷を片づけられるようになります。費用はかかってしまいますが、総合的に見たときにスムーズな片付けにも繋がるため、検討してみて下さい。
まとめ
家族がゴミ屋敷に住んでいると、つい「恥ずかしい」とか「距離を置きたい」と考えてしまう人もいるでしょう。ゴミ屋敷になってしまう人の多くは、何かしら理由があり、一人で抱え込んでしまっている人もいます。そのまま放置していても、片付けしてほしいと伝えても誰かの協力がないと難しいケースも少なくありません。
家族だからこそ頼れる部分もありますし、一緒に片づけを進めていけるようにしてください。家族の気持ちが伝わることで、片付けの必要性を実感してくれる場合もあります。
この記事の監修者:編集部:三島

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