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ゴミ屋敷のゴキブリ事情!大量発生の条件は?いない場合もある?

ゴミ屋敷=ゴキブリがうごめく場所。そんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。本コラムでは、ゴキブリが飛び交うゴミ屋敷の特徴やリアルな目撃談を紹介します。なかには、ゴキブリがいないゴミ屋敷も?

ゴミ屋敷のゴキブリ事情!業者や元住人のゾッとする体験談

体験談を話す人

ゴミ屋敷には本当に大量のゴキブリが住み着いているのでしょうか?そこで、Xの投稿をリサーチしてみました。すると、ゴミ屋敷の元住人や清掃業者から、「洗濯機の下がゴキブリの巣だった」「エアコンをつけたら飛んできた」など、リアルな目撃談が次々と見つかりました!

 

ゴキブリそのものはもちろん、ゴキブリの糞の被害も多いようです。実は、ゴキブリは見た目の不快さや不潔さだけではありません。清掃業者の間では強烈な糞の臭いでも知られています。そのため、ゴキブリが大量発生しているゴミ屋敷では、部屋中にこの独特の臭いが充満していることも珍しくありません。

実際、ゴミ屋敷のある清掃業者は、

と、語っています。

ゴキブリが大量発生するゴミ屋敷の条件は?

虫眼鏡と条件の文字

ゴミ屋敷の中でも、特定の条件がそろうとゴキブリの数は一気に増加します。主な原因は次の4つです。

  • 適温(20〜32℃前後)
  • 床や排水口に髪の毛が多い
  • キッチンが油汚れでベタベタ
  • 食材・弁当容器・ビール缶が放置されている

1. 適温(20〜32℃前後)

ゴキブリは20〜32℃前後の気温を好み、やや温暖な環境を棲み処とします。つまり、温暖な地域にあるゴミ屋敷ほど、ゴキブリが大量発生するリスクが高いといえます。

実際、ゴキブリ駆除などを行う株式会社マイスターワークスが過去に実施した都道府県別の調査によると、相談件数ベースで見た「ゴキブリ発生リスク」の上位3県は東京・大阪・神奈川でした。

もちろん、このランキングは気温だけではなく複合的な要因を含んだ結果ですが、温暖地域でゴキブリ被害が集中しやすい傾向を示す一例として参考になります。

参考:株式会社マイスターワークス

2. 床や排水口に髪の毛が多い

意外なことに、髪の毛もゴキブリのエサになります。人は1日に50〜100本ほど髪が抜けるため、放置された毛はそれだけで立派な栄養源に。

特に湿気の多いお風呂場や排水口にたまった髪の毛は、格好の餌場になります。排水口ネットの交換や床掃除を怠っているゴミ屋敷は、ゴキブリの住処になりやすいのです。

3. キッチンが油汚れでベタベタ

ゴキブリは油を好むため、コンロ周りの油汚れや食器の油分が大好物です。「油のべったりとついた食器がシンクに放置されている」「換気扇がベタついている」といったキッチンは、ゴキブリにとって最高の環境に。

4. 食材・弁当容器・ビール缶が放置されている

残飯やソースのついた弁当容器を放置してあるゴミ屋敷は、ゴキブリにとって大変住みやすい環境です。洗っていないビールの空き缶も要注意!ビールに含まれるアルコールやホップの糖分・アミノ酸は強力な誘引物質で、そこに群がって繁殖してしまいます。

実際に、洗わずに放置されたコンビニ弁当容器やビール、ペットボトルが散乱しているゴミ屋敷は多いですよね。こんな家は、ゴキブリが大量に潜んでいる可能性がかなり高いです。

参考:アース製薬|人類の敵ゴキブリにも、苦手なものがある!?

大量のゴキブリと同居するゴミ屋敷住人の女性

ゴミ屋敷の女性

女性が家主のゴミ屋敷でも、ゴキブリが大量発生している事例は少なくありません。東洋経済オンラインの取材では、3Kのマンションに小学生の子ども3人と暮らすシングルマザーの実例が紹介されています。

ゴキブリが飛び交う家で暮らす親子4人

室内は足の踏み場がないほどの生ごみで埋め尽くされ、キッチンだけではなく、居間にも、弁当の容器、ペットボトル、酒の空き缶が散乱。

床、壁、天井あらゆるところにゴキブリが這いまわり、ボロボロに擦り切れたベットのマットレスにもゴキブリが棲みついています。壁や床には黒い斑点が無数についていたといいます。その正体は、なんとゴキブリの糞……

蓋をしていないスープの中には小さなゴキブリが何匹も浮かび、清掃スタッフがゴミをかき分けるたびにゴキブリが空中を飛び回ったといいます。そんな劣悪な環境の中、親子4人は身を寄せ合って暮らしていました。

現場を担当した不用品回収・清掃業者「イーブイ」(大阪府)の代表・二見文直氏はこう語ります。
「これまでに片付けた中でも、ここはレベルが違いました。お子さんが一緒に住む家の中では最も酷い状態だったと思います」

メンタルの不調が引き金に

文直氏は、「生ごみが多いタイプのゴミ屋敷の住人は、ほとんどがメンタルの不調に起因しています。掃除をしたい気持ちはあっても、心が疲弊して行動できなくなってしまう」と語ります。

実際、この母親も、親族を立て続けに亡くしたことが引き金となり、気力を失っていたと話しています。身内の死などいくつかの要因が積み重なり、「片付ける」という行為そのものが精神的に不可能な状態になって、気づけばゴキブリが飛び交うゴミ屋敷になってしまいました。

実は、ゴミ屋敷に住む女性は多く、女性からの片付け依頼が7割に達するというデータもあります。以下のコラムではゴミ屋敷に住む女性に共通する特徴を紹介しています。

ゴミ屋敷に住む女性の実態!意外と多いあの職業

参考:東洋経済オンライン『「ゴミ屋敷」孤独な部屋の住人たち』(2024年8月24日再配信)

O-157にピロリ菌…ゴキブリのいるゴミ屋敷の住人を覆う病気

ソファで休む女性

ゴキブリが大量にいるゴミ屋敷では、住人の健康被害リスクは当然高まります。以下、ゴキブリが媒介する主な感染症です。

種類・病原菌/影響

症状・特徴

サルモネラ菌

激しい腹痛、下痢、発熱を引き起こす。

赤痢菌

発熱や下痢、腹痛。少量でも感染するほど感染力が強い。

ピロリ菌

胃もたれ、吐き気、胃潰瘍などを発症。長期的には胃がんのリスクも。

O-157(腸管出血性大腸菌)

激しい腹痛や嘔吐。重症化すると命に関わるケースもある。

アレルギー・喘息

鼻炎、喘息、皮膚炎などのアレルギー症状を悪化させる。

このように、ゴキブリが飛び交うゴミ屋敷の住人は、これらの病気と隣り合わせで生活をしているということです。

さらに、健康被害だけでなく、食品を食べる、書籍を汚す。電気系統の障害(ショート)を引き起こす可能性もあります。

電気系統がショートすればそこから火事になる可能性もあります。ゴミ屋敷はものが多いため火災が発生しやすい環境でもありますが、実は放火犯に狙われやすいリスクも高いのです。

近所にゴミ屋敷がある方必見!ゴミ屋敷はなぜ放火されやすい?

参考:フマキラー|ゴキブリが媒介する感染症
参考:アース製薬|ゴキブリを知る

ゴキブリがいないゴミ屋敷もあるって本当?

考え事をする女性

実は、「ゴミ屋敷なのにゴキブリがいない」というケースも存在します。ゴミ屋敷は大きく分けて、次の2種類に分類されます。

  • モノ屋敷(本・服・雑貨などが山積みのタイプ) → ゴキブリはほとんど出ない
  • 生ごみ屋敷(食べ残しや飲食物が多いタイプ) → ゴキブリが大量発生しやすい

ゴキブリは、食べ残しや油、ビールなどを食べる雑食性の生き物。そのため、生ごみが少ないゴミ屋敷はゴキブリが住みにくい環境と言えます。

大量の服や本に囲まれた「モノ屋敷」は、見た目は壮絶でも、実はゴキブリがいない場合も多いのです。同じゴミ屋敷でも、中にあるものの種類によってゴキブリにとっての住み心地がまったく異なるというわけです。

それ以外にもゴキブリが少ないゴミ屋敷の特徴はあります。以下3点が、その主な特徴3つです。

  • マンションの高層階
  • 鉄筋コンクリート造
  • 極端に暑い・寒い地域

1. マンションの高層階

タワーマンションなどの高層階では、ゴキブリを見かける確率がぐっと下がります。ゴキブリは飛べますが、実は長距離や高く飛ぶのは苦手。そのため、20階や30階といった高さまで自力でたどり着くのは、ほぼ不可能です。

さらに、高層階では下水管以外の侵入ルートがほとんどないため、「地上から離れるほど安全」といえるでしょう。

2. 鉄筋コンクリート造

木造や古いアパートでは、壁の隙間や床下の通気口から侵入されやすいのに対し、鉄筋コンクリート造のマンションは構造的に隙間が少なく、上下階や隣室を通じて移動してくるルートがほとんどありません。

そのため、同じ「ゴミ屋敷」であっても、鉄筋コンクリートの建物では潜んでいるが姿を見せないケースもあります。

3. 極端に暑いまたは寒い

ゴキブリは一般的に極端な暑さや寒さに弱い生き物です。活動のピークは25〜33℃前後とされ、気温が20℃を下回ると繁殖が止まり、10℃以下ではほとんど動かなくなります。そのため、極端に暑いまたは寒い場所にあるゴミ屋敷はゴキブリにとって住み心地が悪いのです。

例えば、北海道などの寒冷地では、ゴキブリがいない確率が他の地域よりも高くなります。

ところで、「北国にはゴキブリはいない」とよく聞きますが、正確にはこれは誤りです。全国的に分布するクロゴキブリチャバネゴキブリは、暖房の効いた室内や飲食店など、暖かく湿った場所があれば北国でも生息します。また、ヤマトゴキブリは比較的寒さに強いため、北海道でも屋外で確認されることがあります。

このように、種類によって例外はあるものの、温暖ではない地域のゴミ屋敷では、ゴキブリの出現率は比較的低いといえます。

参考:アース製薬|ゴキブリを知る

見えなくても「いる」可能性も!

闇から伸びる手

一見、ゴキブリがいないように見えるゴミ屋敷でも、実はどこかにひっそり潜んでいる可能性があります。ゴキブリは夜行性の生き物で、18〜21時頃深夜3〜6時頃に最も活発に動き回ります。つまり、昼間に姿を見かけなくても、夜、人が寝静まったあとに活動していることが多いのです。

彼らが好むのは、暗くて暖かく、湿気のある狭い場所。たとえばキッチンのシンク下、浴室のすみ、冷蔵庫や電子レンジの裏側など。中には、テレビやパソコンの内部など、電気製品の中に入り込むケースもあります!

まとめ

生ごみが多いゴミ屋敷では、高い確率でゴキブリが大量に発生します。そのようなゴミ屋敷に住む住人は、ゴキブリ由来の食中毒や感染症などの健康被害と隣り合わせで生活していることになります。

一方で、ゴキブリがいないゴミ屋敷も存在します。生ごみが少ない“モノ屋敷”などがその代表例です。

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