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ゴミ屋敷化する心理と解決方法

ゴミ屋敷になってしまう人のなかには、意図せずに片付けができなくなってしまい「気が付いたらゴミ屋敷になっていた」なんて人も少なくありません。ゴミ屋敷になってしまうのは、心理的な要因が関係しているとも言われています。

家族や友人の家がゴミ屋敷になってしまい悩んでいる人もいるのではないでしょうか。ゴミ屋敷化する心理や要因、そのまま放置していることで起こるリスクについても見ていきましょう。

ゴミ屋敷に住んでいる人の心理

ゴミ屋敷に住んでいる人の心理はどのようなものなのか、まずは見ていきましょう。

・物を捨てることに対して抵抗がある
・日常生活のなかで疎外感や孤独を感じている
・汚れている環境が気にならない
・片付けが苦手で後回しにしてしまう
・買い物をするのがストレス解消になっている
・片づける気力がわかない
・ゴミが汚いから触りたくない

それぞれ詳しく説明していきたいと思います。

物を捨てることに対して抵抗がある

ゴミ屋敷になってしまう人の多くは、物を捨てることに対して抵抗を感じてしまい放置してしまいます。物の大きさなどは関係なくどんなに小さなものでも過剰に愛着を持ってしまい「思い出のあるものだから…」と捨てられなくなってしまいます。

また、収集癖もあるため、他の人から見たときにゴミだと思うものでも捨てられなくなってしまいます。不要な物を判断できなくなってしまうため、どんどん物が溜まっていきます。その結果、ゴミ屋敷になってしまうリスクが十分に考えられるのです。

日常生活のなかで疎外感や孤独を感じている

日常生活のなかで疎外感や孤独を感じやすい人の場合、ゴミ屋敷になりやすいと言われています。寂しさをゴミを溜めることで紛らわせているため、ゴミに囲まれていることで安心感を覚えてしまいます。

特に家族関係が希薄な人や、すでに配偶者を亡くし一人で生活している人、友達もおらず休日は一人で過ごしている人などがゴミ屋敷になってしまいがちです。また、自分では孤独感を覚えていることに気付いていないケースもあります。もともと片付けが好きだった人でも、孤独を感じたことでゴミ屋敷化を進めてしまいます。

汚れている環境が気にならない

ゴミ屋敷の多くは、害虫や害獣が湧いていたり、悪臭が漂っていることも少なくありません。一般的にはこうした汚れた環境では生活できない人のほうが多いと思いますが、ゴミ屋敷に住んでいると気にならなくなってしまいます。

汚れている環境でも、問題なく暮らせるだけではなく、そもそも片づけるべき環境であるという意識を持っていません。汚れている環境が当たり前になってしまい、今の環境に違和感を覚えなくなってしまうのです。

片付けが苦手で後回しにしてしまう

ゴミ屋敷になってしまう人のなかには、もともと片付けが苦手な人もいます。そのため「そのうち片付ければいいや」と後回しにしてしまった結果、ゴミ屋敷になってしまいます。

忙しいと片付けが後回しになってしまう人の場合は、時間ができれば片付けをするのでゴミ屋敷になる可能性は少ないと言えるでしょう。片付けに対して過度に苦手意識を持っていると、ごみを捨てられなくなってしまいゴミ屋敷になってしまいます。

買い物をするのがストレス解消になっている

ゴミ屋敷は、家のなかの物が多いのも原因の一つです。買い物がストレス発散の手段になっていると、物が増えすぎてしまいゴミ屋敷になってしまうケースも少なくありません。

もともと買い物依存症で、他者と関わる手段の一つになっている人もいます。欲しいものがなくても、買い物すること自体が目的になってしまいます。本当に必要かどうか意識が向かず、買った後にどうするのかを考えられません。同じようなものを大量に購入してしまったり、使わないもので家のなかが溢れてしまう人もいます。

片づける気力がわかない

片付けるのは気力のいる作業でもあります。日常的に強いストレスを感じて片付けの気力が湧かない人もいますし、自分の身の回りのことに興味ができずに後回しになってしまう人もいます。

特に職場の人間関係に疲れ切ってしまい、家にいるときは何もしたくない…と思ってしまう人もいます。また、うつ病などの精神的な病にかかっていると思うように片付けができなくなってしまう人もいます。精神的な病の場合、ゴミ屋敷に住んでいることでより症状を悪化させてしまう可能性もあるため、早めに片づける必要があります。

ゴミが汚いから触りたくない

ゴミ屋敷に住んでいる人のなかには「潔癖症」の人も少なくありません。ゴミやホコリを触りたくないと放置した結果、蓄積してゴミ屋敷になってしまう人もいます。

例えば、実家に住んでいるときは親が部屋の片づけをしていた人や、配偶者が片付けをしてくれていたのでゴミを触る機会がなかった人もいるでしょう。

潔癖症の程度によっても変わりますが、汚れを気にして頻繁に掃除をしてしまう人もいれば、汚れているものに触れない人もいます。

ゴミ屋敷の原因になっている可能性のある心理的な要因

ゴミ屋敷の原因には心理的な要因も大きく関係しています。
心理的な要因の場合、専門家に相談することも必要です。
具体的には以下のような要因が考えられます。

・精神疾患を抱えている
・過労気味で精神的に疲弊している
・ストレス過多の生活をしている
・高齢で認知症になっている
・買い物依存症である
・お金や物がない生活を経験している
・一人暮らしで家事の経験がなく苦手である

それぞれ詳しく見ていきましょう。

精神疾患を抱えている

ゴミ屋敷と精神疾患は大きな関係があります。ADHDやうつ病、溜め込み症などの精神疾患が原因となり、片づけられなくなる人も少なくありません。

ADHDは、注意欠如・多動症などの発達障害の一つになり、注意力が散漫し落ち着きがないなどの症状が見られます。

物を整理するのが苦手なので、掃除ができず散らかったままの状態になってしまいます。また、片づけをしたものの、他に気になることができてしまい最後まで終わらない人もいます。

うつ病は、何事にもやる気がなくなり不眠や焦燥感、食欲不振などの症状が起きる精神的な病気のことをいいます。脳が正常に働かなくなってしまうため、家のなかが汚れていることに関心が持てなくなり、ゴミ屋敷化してしまいます。

過労気味で精神的に疲弊している

看護師や介護士、教師など残業が多い、夜勤があるような多忙な仕事に就いているとゴミ屋敷のリスクも高まります。家に帰っても寝るだけの状態になってしまうため、家のなかが荒れてしまいます。

生活リズムも一定ではないため、既定の時間にゴミを捨てられずに後回しになってしまいます。一時的なものだからとベランダにゴミを置いていたのが、そのまま蓄積されてしまいゴミ屋敷になってしまう可能性も考えられます。

ストレス過多の生活をしている

ストレス過多の生活をしていることで、無気力になってしまう人も少なくありません。仕事だけに限らず、育児や介護で忙しく自分のペースで生活できない人もいます。

一生懸命頑張っていると、何かの拍子にストレスや疲れが爆発してしまい鬱状態に陥ってしまう人もいます。男性に限らず、女性でもゴミ屋敷になる可能性は十分に考えられます。ストレス過多の生活をしている人は、ゴミ屋敷のリスクがあることを認識しておきましょう。

高齢で認知症になっている

今まで片付けができていたはずなのに、急にできなくなりゴミ屋敷になってしまう人のなかには、認知症が関係している場合も考えられます。認知症は、認知機能が衰え記憶力が低下していく病気です。今まではできたことも、症状が進行するとできなくなってしまう人もいます。ゴミ出しができなくなったり、ごみを集めることすら難しくなってしまうことも。認知症は日常生活に支障をきたすことになるため、一人での生活が難しくなります。

買い物依存症である

先ほども簡単に説明しましたが、買い物依存症も精神疾患の一つです。何を買ったか、物に対しての執着はほとんどありません。買い物をすることに喜びを感じ、接客してもらったときの特別感を味わいたくなり何度も繰り返してしまいます。

購入したあとに「余計なものを買ってしまった」と反省できる人もいますが、ふとしたときに買い物をしたい衝動にかられることになり、何度も繰り返してしまいます。次第に物が増えていき、家のなかが片付かなくなりゴミ屋敷になってしまいます。

お金や物がない生活を経験している

幼少期にお金や物がない生活を経験している人は、反動から買い物をしてしまう傾向が見られます。「また、物が買えなくなるかも」と恐怖心が出てきてしまい、過剰に同じものを溜め込んでしまう傾向があります。

特に、今は物価高の影響もあり先行きに対して不安を抱える人も少なくありません。溜め込むことが悪い事ではないのですが、使いきれないと無駄になってしまうだけです。きちんと管理ができるようにするか「また購入できるから大丈夫」と気持ちを切り替えることも必要です。少しずつ物を減らせるように処分することで、改善できる場合もあります。

一人暮らしで家事の経験がなく苦手である

家事の経験がない人や苦手な男性が一人暮らしをすると、ゴミ屋敷になってしまうケースも十分に考えられます。特に、今の高齢者世代の場合、男性は外で仕事をして女性は家事をこなすケースが多く、役割分担されていた時代です。男性のなかには掃除の習慣がないため、片づけ方がわからない人もいます。また、初めて一人暮らしをする場合、片づけ方がわからずにそのまま散らかってしまう人もいます。

ゴミ屋敷をそのままにしているリスク

ゴミ屋敷をそのままにして住み続けることで、さまざまなリスクが考えられます。

ゴミ屋敷のままにしていると、健康状態の悪化や悪臭、害虫など近所に迷惑をかける可能性も出てきます。ゴミ屋敷にはネズミやゴキブリが住み着いていることも多く、自宅だけに限らず近隣の住宅に侵入してしまう可能性も考えられます。

急に害虫や害獣の数が増えたと思ったら、周辺にゴミ屋敷があったなんてケースも少なくありません。食べかけのものや腐敗した食べ物がそのままになっていることで、悪臭が漂い苦情などのトラブルを起こしてしまうこともあります。

また、蓄積したホコリが原因となり、火災のトラブルに巻き込まれてしまう可能性も出てきます。特に冬場など空気が乾燥していることで、コンセント周辺のホコリによるトラッキング火災も増えるなど、リスクも高まっています。

ゴミ屋敷の状態があまりにもひどいと、自治体に通報される可能性もあります。ケガや病気、孤独死の原因になるなど、ゴミ屋敷にはさまざまなリスクが隠れているのです。

ゴミ屋敷から抜け出すにはどうしたらいい?

ゴミ屋敷に住んでいる人のなかには、どうにかして片づけたいと考えている人もいるでしょう。ゴミ屋敷から抜け出すための方法について説明します。

・人の手を借りてでも片づける(自治体や業者など)
・コミュニケーションを取る機会を増やす
・きれいな部屋を見て片付けの必要性を実感する
・自治体に相談して指示を受ける
・悩みを抱えずに吐き出せる場所を作る
・生ごみの処分から始める
・不用品回収業者に依頼する

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

人の手を借りてでも片づける(自治体や業者など)

一人で片付けができるのであれば、ゴミ屋敷になることはありません。

自分ではどうにもならないからこそ、ゴミ屋敷になっているということを覚えておきましょう。そのため、自治体や業者、家族など人の手を借り手でも片づけることをおすすめします。一緒に片付ける人がいるだけでも、スムーズに進められる場合もあります。

「片付けを手伝ってほしい」と声をかけるのは勇気がいることかもしれません。でも、そのままにしていても解決できないからこそ、ときには人に頼ることも解決するうえで重要です。お住まいの自治体に相談してみると、アドバイスをもらえる場合もあります。

コミュニケーションを取る機会を増やす

ゴミ屋敷になってしまう人のなかには、コミュニケーションを取るのが苦手で人とのかかわりがほとんどないような生活をしている人もいます。閉鎖的な生活をしているからこそ、自分がゴミ屋敷に住んでいる認識がなくなってしまいます

例えば、外に出て仕事をするのもいいですし、休日に家のなかで過ごすのではなく外に出て人と話す機会を増やしましょう。人と話すことで前向きな気持ちになれるため、片付けようと思える人もいます。また、お互いの部屋を行き来するような相手がいれば「家のなかをきれいにしておこう」と思えるようになります。

きれいな部屋を見て片付けの必要性を実感する

ゴミ屋敷である認識が持てない人は、きれいな部屋を見て片づける必要性を実感させる方法もあります。家族や親族、友人など誰でもいいのできれいな部屋に招待して過ごしてもらうことで「部屋の中を片付けなきゃ」という気持ちにさせる方法です。

特に、片付けの必要性を感じていない人や、客観的な視点で見られない人は、いかに必要性を実感させられるかどうかです。一度、ゴミ屋敷だと気づく機会を与えられるかどうかです。

自治体に相談して指示を受ける

ゴミ屋敷によるトラブルを防ぐためにも、自治体に相談する方法もあります。自治体ごとに「ゴミ屋敷に関する条例」が定められています。気軽に相談できる窓口になるため、近隣住宅とトラブルになりそうなときは、自治体に相談すると適切な対応方法についてアドバイスしてくれます。

ゴミ屋敷を片づけたいと思いつつも、どうしたらいいのか迷っている人にとっても福祉的なサポートが受けられるのは大きなメリットといえます。困ったときは自治体が相談にのってくれるので頼ってみてもいいと思います。

悩みを抱えずに吐き出せる場所を作る

ゴミ屋敷で悩んでいる人は、悩みを吐き出す場所を作る方法もあります。家族や友人などの信頼できる人に相談する方法もあれば、匿名サービスを使う方法もあります。ゴミ屋敷になってしまった要因や、心理的な不安、原因への対策も含め相談できる場を作るようにしてください。悩みを吐き出せる場所があると、気持ちも楽になります。一人でなんとかしようとしてしまう人は、頼れる場所を作ることも大切です。

生ごみの処分から始める

ゴミ屋敷で何から片づけたらいいのか迷っている人は、生ごみの処分から始めるのをおすすめします。生ごみは悪臭の原因となりますし害虫が湧いてしまう可能性もあります。生ごみから片づけることで、悪臭や害虫の発生を抑えることにも繋がります。生ごみの処分から始めつつ、ゴミ屋敷を片づけられるように進めていきましょう。

不用品回収業者に依頼する

ゴミ屋敷を自分たちで片づけるのが難しい場合、不用品回収業者などプロに依頼する方法もあります。ゴミの量が多く害虫や害獣が多い状態では、素人だけで片付けるのは難しくなってしまいます。

不用品回収業者は、迅速にゴミを回収してくれますし、まとめて処分するため分別の手間もかかりません。不用品回収業者のなかにはゴミ屋敷の清掃サービスを行っているところもあるので、事情を考慮したうえで対応してもらえます。

まとめ

ゴミ屋敷化してしまう要因にはさまざまなものがあるからこそ、まずはどうしてゴミ屋敷になってしまったのかを明確にすることが大切です。そのままの状態が続けば、心身に支障をきたしてしまう可能性も出てきます。

ゴミ屋敷をそのままにせず、まずは身近で相談できる相手がいるかどうか、自治体や業者も頼りつつ片づけるようにしていきましょう。

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この記事の監修者:編集部:三島

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